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旅とリモートワーク

5月に2週間ほど"働きながら"北海道や青森をひとりで旅をしてきた。給料を全部使うという話で偶然思い出したので、旅とリモートワークについてまとまりなく書き置く。ここに置くのは記憶の断片であり、夢日記のようなものだと思ってほしい。

僕は4月に大学を休学してスタートアップに入社した。

会社のオフィスは京都にあるが、勤務はリモートベースであり、仕事をする時間と場所は自由だ。僕はオフィスまで自転車で20分のキョリに住んでいるけれど、ほとんどは自宅やカフェで勤務している。ある同僚は関西と関東を2週間ごとに自由に移動する生活を送っている。

旅に出ること

ある日、働きながら旅をするという考えが頭に浮かんだ。どこでも仕事をできるなら旅先でも働けるはずだ。

「強いチームはオフィスを捨てる」という本にはこう書いている。

リモートワークは夢のような可能性を開いてくれた。大金が手に入らなくても、仕事をリタイアしなくても、いまや世界を自由に飛び回ることは十分に可能なのだ。

旅に出るならどこがいいだろう?行ったことがないから北海道に行きたい、そう思って翌週の札幌行きの飛行機のチケットをとった。

予定は特に決めずに、大阪から札幌までの片道の航空券だけをとって、旅先で次にどこに行くか決めるというスタイルだった。宿はネットで前日にとった。

動物園に行きたくなって旭川に行き、思ったよりも寒くて網走を諦め函館に行き、ついでだから青森に行き、新幹線で東京に寄って京都に帰ってきた。最終的にはこのような旅程だった。

京都 -> 大阪 -> 札幌 -> 旭川 -> 函館 ->  青森 -> 東京 -> 京都

費用としては宿はだいたい一泊3,4000円くらいで、飛行機代が7000円、鉄道代が4万円くらい。帰りに新幹線を使ったので高かった。全体でかかったのは10万円くらいだと思う。

旅をしながら働くこと

どこで働けるといっても、知らない土地で働くのはやはりちょっとした困難はある。気になったことをいくつか書いておく。

インターネット

インターネットに繋がらなければ仕事ができないので、旅先ではまずネット接続を確保することが最重要になる。

できるだけWi-Fiの繋がるホテルに泊まるようにして、Wi-Fiのない宿では持参したWi-Fiルーターを使っていた。

ずっとホテルの中にいると気が滅入るので街のカフェで作業をすることも多かった。

電源とWi-Fiのあるカフェが見つかれば理想的だけど、なかなかむずかしいので見つからない場合はiPhoneテザリングでネットに繋げていた。たいてい4G/LTEがつながるので通信速度にはそれほど困らない。

旅と仕事のバランス

むずかしいのは、遊びと働くバランスだ。一日決まった時間働かなければならないので、まとまった時間をとって街を観光することがしづらい。働くだけで十分に楽しめないとせっかくの旅が台無しになる。

僕の場合は、朝早くから仕事をして夕方に時間を作って街を見て回っていた。6時から仕事を始めれば早ければ15時には退勤できる。札幌で時計のついたしょぼい建物を見たりして散策するには十分だ。

昼休みに街を歩き回るのも好きだった。昼休みに函館で市場の海鮮丼を食べて港をぶらぶら歩き、立ち寄ったカフェでコードを書いていた。ときどき顔を上げて窓から見る海が青くてとても綺麗だった。

リモートワークについて

リモートワークについての意見を述べておく。

僕たちが仕事をする場所がある特定の場所に制限されることには もはや正当性はない

現在多くの労働者は正当性なく毎日同じ場所で働くことを強いられているが、これは因襲に縛られた経営者たちによって、不当に身体を拘束されているすぎない。

離れた場所で働くことの弱点は情報技術の発達により克服された。僕たちには生きる場所を選ぶ権利がある。「もはや住む場所が会社に制限されるなんてクレイジー 」だ。

疑問などのある人たちは「強いチームはオフィスを捨てる」を読めばよい。

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

それでも理解できない人たちのために、僕にできることは引用だけだ。

自由、教養、法律等々についての諸君のブルジョア的観念を尺度にしてブルジョア的所有の廃棄を測って、
我々と争うのはやめたまえ。諸君の思想そのものが、ブルジョア的生産的諸関係および所有諸関係の産物なのだから。

 — 『共産党宣言』

生きること

今回の旅によって得られたものは大きく言って二つだった。 * 旅で色々なものを見て感じること * 新しい生き方を実験すること

旅は現実的なものの中でもっとも非現実的な体験だと思う。街を新たに訪れるたびに、新鮮な風が身体を通り抜けて生まれ変わったような気分になる。宇宙に包みこまれるようで、とても言葉なんかに閉じ込めることはできない。

今回の実験で旅と仕事は両立できることが実際に確かめられた。退屈な日常から離れ、創造性を高めるのに、旅は効果的なツールなのではないかと感じている。ものごとを別の視点から見つめることで普段では考えられないほど多くのアイデアが得られた。

リモートワークにより場所から解放された僕たちは、今やどこにだって行くことができる。好きな土地に移住することもできるし、経済的な事情を気にすることなく持続的に旅をすることもできる。

リモート勤務を認めるかどうかという問題は、もはや単にどこで働くべきかといった問題を超えている。どこに住み、どのように生きるか、といったことは幸福を追求することそのものである。いったい誰が正当性なく人々の幸福を阻むことができるだろうか?

最後に

今回の旅で感覚を得たので、次は海外に行こうと思っている。9月からオレゴン州ポートランドに2ヶ月程度滞在する予定で、滞在中も普段と同じように働くつもりだ。

関連記事として、旅をしながらコードを書くことについて書かれているエントリを紹介しておく。

旅と執筆とプログラミング

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

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