ロンドンからマンチェスターに向かう電車の中で書いている。
昨年10月にロンドンに引っ越してきて、12月から2月にかけて冬を過ごしてきた。イギリスで初めて過ごす冬で、厳しい季節だった。朝のビデオ会議のために、夜明け前に闇の中起床するような生活だった。電気毛布がないと寒くて眠れなかったし、シャワーのお湯が一週間近く出なくなったり、水道管の凍結破裂で停電になったこともあった。そういう寒い日は不安で心細くもなった。
イギリスに引っ越してきた当初の最大の不安は、冬を越せるのかどうかだった。僕にとって冬は終わりの季節だとも言っていい。日本でも冬は不安で落ち込みやすく鬱っぽくなり精神がダメになる。さらに日照時間が短くて寒さが厳しいイギリスで冬を乗り越えられるのか?が一番の心配だった。冬を過ごすことに難しいも何もないでしょと思うかもしれないけど、弱い僕にとっては一つ一つの季節は気が遠くなるほど長く、そして厳しい。
タイなどの暖かい国に渡り鳥のように避難する方法もあったが、怖いことから逃げては何も成長は得られないし、なんでも一度は体験してみるものである。そう思って、今年はイギリスの冬に向かい合うことに決めた。
結果としては、なんとか冬を越えられた気がしている。まだ若干の冬は残ってる感じもするものの、今週は暖かく晴れて明るい日が多くて、春の訪れを感じた。
ジムまでの道を歩いていると、庭先に花が咲き始めているのをよく見るようになった。桜のような色の花や柔らかい黄色の花があって、普段の街の色が豊かになってきた。この前まで毎日曇りで建物も白くて街がグレイスケールだったのが、一気にカラー放送が始まったような感じがする。花の名前を僕は知らないけど、ただただ綺麗に感じる。


乗り越えられた要因としてはいくつか考えられる。
ひとつ目、寒さは厳しいもののそこまでの厳しさではない。容赦無く防寒して身体を温めればなんとかなった。全身をヒートテックで包み込み、電気代をケチることなくヒーターを炊き、電気毛布を被る。
もうひとつ、身体を整える。精神の不調の半分はハードウェアである身体を整えることで防ぐことができる。まずは運動。週に2回は何があってもジムに行くようにした。特に男性の仕組みは単純で、筋肉を動かせば脳にポジティブな脳内物質が流れて精神が良くなるようにできている。あとは、ビタミンDのサプリメントを毎日飲むようにもしていた。日照時間が短すぎるので、イギリスの健康省的なとこもサプリを推奨している。
最後の要因としては、選んだ部屋が良かった。最上階にある屋根裏部屋で、天窓になってて曇りの日でもそれなりに明るい。家の中で一日中仕事をしていても、自然とある程度光を浴びれる環境にあった。これはとても助かった。
地球温暖化で今年は特別暖かくなるのが早いという説も聞くが、とりあえずは冬を越えられたことを祝福させてほしい。
冬を経験しての感想としては、まぁ特にそれといって良い学びはなかった。寒い季節はないに越したことはない。メンタルを管理するために、かなり注意深く生活しないといけないし、睡眠時間も長くなりがちになる。寒いよりは暖かいほうがいい、というのが宇宙の普遍的な真理だと気づいた。なので、来年はせめて1月くらいはどこか暖かい国で過ごしたい。
とはいえ、イギリスの冬の樹の状態を見るのも好きではある。
