7年の読書

ある年から年末にその年に読んだ本のベストを記録している。SNSでシェアすることもある。去年までで7年分になった。
1年全体で読んでいるのは大体年間20-40冊程度で、その中から毎年5-6冊選んでいる。7年間のベストを合計すると大体40冊になる。

時間をおいて読み直す

その中の半数程度は何度も事あるごとに読み直している。
意外にも同じ本を読むのでも、何年か寝かして読むと、受ける印象が変わったり、新しい発見があったりして面白い。 前回読んだときに心に響いたパンチラインがチープに感じたり、逆にあまり心に響かなかった一節がスルスル脳に入ってくることもある。

普段意識してないが、自分の経験と照らし合わして、あれこれ自分の中で噛んだり吐き出したりしながら内容を吸収している。
「本は自分自身との対話」だと岡本太郎は言っていたし、誰かは本は手鏡のようなものだと言っていたけど、その意味が今ではよくわかる。

残りの半分は今となってはどうでもいいような本ばかりに思える。正直ほぼ内容を覚えていない本も多い。
その当時は感動したような本もあるのだけど、なぜか今になってはどうでもよくなっている。時間に寝かせておくだけで、本物なのかどうかがわかる。

哲学書は読めなくなっていく

ジャンルにはこだわらず読んでいるつもりだけど、学生時代に比べると、明らかに小説や哲学書を読む頻度は少なくなっている。
「学生のうちに思想書を読んでおいたほうがいい、社会人になると読めなくなるから」と学生時代によく言われていた。その当時はよくわからなかった。

社会人には時間がない、というのが安直な理由づけになるだろうけど、本当の理由ではないという風に感じる。
1年経つと古紙回収行きになるような本を読み、1分で忘れ去られるようなツイートの山を読んでいる一方で、時間がないというのはおかしい。

以下が本のリストになる。

特に良いと思う本には★をつけている。

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2021年 強さへの旅

振り返るなら、2021年はトレーニングに取り組んだ年だった。
社会情勢的に、貯金をすべて使うほどに好きだった海外旅行にも行けなくなって、エネルギーを持て余していた。

とにかく遠くに行きたかった。 年が終わる頃に遠くまで来たな、と思える何かが欲しかった。

2021年末の今では、英語と運動について習慣的にトレーニングするようになって、今年の初めよりは少しだけ遠くまで来れた気がする。
2021年に意識して取り組んだことを振り返ってみようと思う。

いつも想う 死ぬ前にきっと もっと行けたなんて思うんじゃないか - S.L.A.C.K

英語

英語学習に力を入れようと思った一番のモチベーションは、知らない単語が多すぎて読めない洋書があったことだった。 技術書やビジネス書を読むときにはそんなに苦労しないけど、たとえばサピエンス全史のような語彙レベルが少し高い本を読むのにはかなり苦痛だった。 大学受験と数ヶ月間のアメリカ滞在以降、特に何もしていなかったので、英語力は停滞していたし、そろそろ何かしらしなければと思った。

Anki

今年やったなかで一番効果的だったのは、Anki を使った反復暗記だった。
Anki はフラッシュカードを使った暗記アプリで、効率的に長期記憶化できるように期間をおいて反復学習できる仕組みになっている。
PCとスマホアプリがあって、僕は Mac でフラッシュカードに登録して、iPhone アプリで復習している。

2021年2月頃に始めて、それ以来毎日欠かさずにやっている。ワクチンの副反応で39度の高熱を出して寝込んでいた日でも継続していた。毎日30分から1時間程度復習に使っている。

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Anki の良い点は、復習がとても楽なこと。精神的エネルギーの消費量が少なくて、いくらやる気がなくても継続できる。
フラッシュカードを覚えていたら右に、忘れていたら左に、タップするだけの単純な操作を毎日するだけで良い。
スワイプすればするほど頭が良くなる Tinder みたいなものだと思ってやっている。

究極の英単語 Vol 3, Vol 4という英単語集を暗記した。1冊3000語の英単語集なので、単純に言うと6000語程度語彙増強されたはず。
そのあとは Kindle で好きな本から抽出したり、YouTube の字幕から拾って少しずつ覚えている。

どんな素材でも、登録して反復学習さえすれば、長期記憶化できるのが良い。
Kindle で洋書を読むときに知らない言葉があればハイライトをしておいて、あとでコピペしてまとめて Anki に登録している。
PC上でコピペするだけなので登録の効率が良いし、英単語帳とは違って、本の内容とリンクした有機的で生きた言葉を学べるので記憶に定着もしやすい。
インターネットで知らない単語を見たときも調べてそのたびに Anki に登録している。

成果

結果的には、Test your vocab という語彙ベンチマークでのスコアも1年で大きく上がった。

3月に受けたときには 8000 words (ネイティブの6才以下レベル) だったのが、先日見ると 16,800 words になった。

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TOEICのスコアも 970 になった。

たしかに洋書を読んでいて知らない単語が少なくなっており、読書するのは楽になっていて成果を実感している。

英語については瞬間英作文などほかに取り組んでいることはあるけど、それはまた別の機会。

運動

元々、気分が落ち込んでどうしようもなくなる期間がよくあった。そういう期間には何もできなくてとにかくダメになる、という問題があった。
運動や筋トレをすると、気分の落ち込みを抑えるような物質が脳内に多くなり、改善するらしいと何かで聞いて、実験だと思って運動を習慣にしてみることにした。

ジョギングから始め、自重トレーニングをして今はジムで筋トレに取り組んでいる。
直接的な成果とはいえないかもしれないが、体重は 5kg 減った。気分が落ち込む頻度も減ったような気がする。

始めてからしばらくの間は、ほぼ毎日トレーニングをしていた。
意外なことなのだけど、トレーニングについては週2回やるよりも週7回やるほうが簡単だった。
当初は週2,3回程度で試していたが、習慣化させるのにかなり苦労した。作戦を変えて、ほぼ毎日やるようにしてから、途端にグッと楽になりそこから継続している。
今は時間効率を考えて休息を入れて週4回ジムに通っている。

記録については、紙の手帳ノートを使っている。
見開きで2ページに1年分が見えるページがあるのが気に入っている。トレーニングを実行した日付にマークをつけている。
毎日マークが埋まるようにすると嬉しくてモチベーションが上がる。1年通してやり続けると1年分マークが埋まって、征服欲を満たしている気分になる。

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月ごとのカレンダーには、その日のトレーニング内容を簡単に書いている。 長くつけていると、始めは10回もできなかったことが20回できるようになってたりとか、見返すと小さな喜びを感じられる。

記録にはアプリなども色々試したけど、自分にはうまくいかなかった。
通知に気が散って記録に集中できなかったり、決まった場所に置けなかったりして、ルーチンにハマらなかった。

本については、 プリズナー・トレーニング が純粋に読み物として文体や表現が面白くて読んでいる。ギリシア人の物語を読んでから古代ギリシャ人に憧れる自分には刺さった。

習慣

年の初めに習慣について本を読んだ影響で、トレーニングにあたっては習慣化することを意識していた。

意識していたポイントはいくつかあった。
一つは、毎日やること。訓練時間のボリュームを圧倒的に大きくすること。

レーニングを単純化すると、量と質に分けられる。ここでは量を投入時間、質を変換効率とする。

成果 = 投入時間 * (成果 / 時間) 

成果というのは、英語学習であれば語彙数や読解力などだし、筋トレであれば筋肉になる。

自分の経験から思うに、失敗する理由の圧倒的大多数は、途中で諦めてしまうこと、つまり時間のボリュームが不足していること、だと思う。
初心者にとってボトルネックは量なので、とにかく量を増やすことだけを考える作戦をとっていた。
質はもちろん重要ではあるけど、質については量が増えたあとに最適化すればいい。

もう一つ意識していたのは、毎日トレーニングするのに必要な精神的エネルギーを最小にすること。
毎日同じ時間に行い、生活のルーチンに組み込んでしまうことで、どんなにやる気がなくても実行できるようにしていた。
僕の場合は、朝起きてコーヒーを淹れたあと、iPhone を取り出して Anki でフラッシュカードの復習をするようにしている。
他のアプリで気が散らないように、朝の時間には Anki 以外のアプリを使えないように設定している。

レーニングに当たって、あえて目標は設定しなかった。 これまで目標を設定して頑張ったことはあったけど、僕にとってはうまくいかなかった。
正しい現実的な目標を設定するのはむずかしいし、ほとんどの場合目標は達成できなくてやる気が下がる。

目標を設定する代わりに、毎日冷徹に訓練を実行することだけを考える。
単純な修行を毎日すれば、これ以上ないくらい驚くような成果が得られるし何も問題なかった。

以下の資料が大きく参考になった:

その他の学習

Anki については英語だけでなく、世界史やプログラミングなどを覚えるのにも使っている。特に世界史の全体像を頭に入れるのに役に立った。
Anki はどんな分野にも応用が効いてかなり強力なツールだと感じている。

Anki を使うテクニックについては、リンクを貼っておく:

うまくいかなかったこと

ここまで書いたのはうまくいったことだけど、うまくいかなかったこともあった。
たとえば、アルゴリズムを学習しようと思ったけど、結果的には続かなかった。
Leetcode は100問程度は解いたけど、苦行という状態から抜け出せずにやめてしまった。

付け加えると、英語や運動については、過去にも何度かトライして失敗している。
Anki を使った学習の継続は何年か前にやってみたもののまったく続かずに諦めたし、運動に関しても少なくとも3度はトライして中途半端な状態で終わった。
現在プログラミングを職業にしているけど、プログラミングについても初心者の頃は3度は挫折した。
挫折しているだけに見えても、長い目で見ると改善しているということのかもしれない。重くとらえずに何度も手を変えてトライすることが大事な気がしている。何度失敗してもよく、成功は1度だけすればいい。

2022年に続く

旅装備

装備はとても大事です。身寄りもなにもない海外旅行先では頼れるものは身体とその延長である装備しかありません。

昨年旅行するたびに付け足したり捨てたりしてるうちに、僕の場合はこんな感じに落ち着きつつあります。

かばん

道がちゃんとしている国に行くときはスーツケース、そうじゃないときはバックパックにしている。

スーツケースはやっぱり空港内での移動などでは楽。けど、道がでこぼこだとスムーズに動かせなくて消耗します。 だから、インドとか、インドネシアとか、道がでこぼこしてそうな地域に行くときはバックパックにしている。 道がでこぼこしてる地域だとバイクタクシーが人気なことも多いから、バックパックだとバイクタクシーにも乗りやすくて便利。

スーツケース、バックパック両方とも飛行機にギリギリ手荷物持ち込みできるサイズにしている。

スーツケースは、ロフトで1万円で買ったやつ。カブトムシみたいな色をしている。

バックパックは、グレゴリーのコンパス40。作りが簡素で容量が大きい割にコンパクトなのが好み。 ノートパソコンを収納するスペースがあるのと、靴を入れられるスペースがあるのが便利

ガジェット

iPhone

最近は、ガイドブックの代わりに、Google Tripsというアプリを使っている。 データをダウンロードしておくとオフラインで情報を見れる。

地球の歩き方などのガイドブックも前は買ってたけど、検索性が低いし余計な情報が多いから、アプリだけで済ませることも多い。

SIM

SIMカードAmazonで先に買っておくようにしている。 現地で買うほうが安い場合もあるけど、現地で店を探し回ることを考えると日本で先に買っておいたほうが楽。

ローミングもできるので、先に買っておくと乗り継ぎの空港でもたいてい使える。 たとえば北京経由でプノンペンに行くときは、北京でも使える。帰りの便がクアラルンプール経由だったら、クアラルンプールでも使える。 空港にフリーWi-Fiはあるが、まともに繋がらないことも多い。

テザリングができるかどうかは買うときに気をつけたほうがいいかも。

あと、日本で格安SIMを使ってる場合、先にプロファイル設定を消さなきゃいけないので注意。

その他

  • モバイルバッテリー
    • しょぼいやつを使っていると空港で没収されがち
  • 変換アダプター
  • シャープペンシル
    • ペン先がSIMを抜き差しするピンの代わりに使えるので便利

お金

キャッシング用のクレジットカード

現地ATMでキャッシングして現地通貨を引き出すために使う。 できれば2枚以上あると良い。僕は楽天カードエポスカードを持っていってる。両方ともVISA。なぜか楽天カードが使えない、というようなことがよくあある

現金

1万円札1枚くらい。緊急用。 運が悪いと、空港のATMが全部死んでるようなことがある。

インドに地方の空港から入国したとき、空港のATMがどれも使えないことがあった。現地通貨がないと空港から脱出できないので、こういうとき日本円を持ってきてないと詰む

飛行機対策

飛行機で快適に過ごしたり寝たりする用。

ノイズキャンセリングヘッドホン

Bose QC 35 というヘッドホンを使ってる。飛行機の轟音がだいぶマシになる。

飛行機に乗る前にSpotifyアプリで音楽をダウンロードしまくるのを忘れないのが大事。

スウェットパンツ

飛行機に乗る前にジーンズからスウェットに履き替えておく。乗り心地がぜんぜん違う。

あるときに、空港のユニクロで買った。 出国後のエリアにあるユニクロは便利で、消費税なしで下着などをスッと調達できる。

ネックピロー

首が前にガクッとなるのを防ぐように逆向きに使うのがポイントな気がしている。荷物になるから敬遠してたけど意外と役に立つ。

ホットアイマス

付けるとスマホを触れなくなるのが悩み。

めぐりズム 蒸気でホットアイマスク ラベンダーセージの香り 14枚入

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小物

サングラス

日光や砂から目を守るのにも使えるし、空港で寝るときなどにも役に立つ。 アテネの露店で700円で買ったやつを使っている。ジャカルタで買ったやつ (300円) が大破したので二代目。ちゃんとUVカットするやつを使ったほうがいい。

サンダル

ビルケンシュトックアメリカの地名のやつ。どんな旅先でも想像の倍くらい役に立つ。

クックパッドでやったこと

先日クックパッドを退職しました。1年とちょっとの間働いて、思ったことを振り返っておこうと思う。

入社した理由

そもそもどうしてクックパッドを選んで入社したか、を振り返ると

  • 働きやすそうだった
    • 労働時間はフルフレックス制だし、社員も早く帰る文化がある
    • 経営体制変わって落ち着いたところだったので、タイミングが良かったと思う
  • 優秀なエンジニアが多い
    • これはそう感じることも感じないこともあった
  • 給与が割に良かった
    • 額面給与は上がったが、結果的には京都での前職のほうが手元に残るお金は若干多かった。東京プライス。

uiuret.hatenablog.com

退職した理由

明確なプランがあるわけではなかったけど、ぼんやりこんなことを考えていた:

  • これから本当にやりたいこととマッチしていない
    • 料理の領域に制約される
    • ただのエンジニアとして終わりたくない
  • もっとリスクをとりたい
  • 人数が多い会社で働くのが合ってないと感じた

自分には合ってないと感じることもあったけど、客観的に見ると働きやすい良い会社だと思っています。就職活動で迷っていたら薦めると思うし、少額だけど株式を持ってるししばらくは売るつもりはない。

やったこと

仕事では主にこんなことをやっていました。

技術的には幅広くというか散漫に色々やりました:

機械学習を活用したサービス開発

元々 UI / UX に関心があったんですが、今の時代はフォームのレイアウトをいじくり回したりするよりも、データや機械学習を活用したほうが収穫が多いだろう、と思っていたのが動機で、機械学習を使った機能開発に取り組んでいた。

機械学習エンジニアと連携して、機械学習モデル以外の部分を全部開発することが多かったです。

  • モデルの改善
    • xgboostに閲覧ログを食わせて学習させる。やる人間がいなかったので取り組んだものの、大した成果は出なかった。
  • ディープラーニングでの画像カテゴリ分類
    • 優秀な機械学習エンジニアが職人芸で作ったモデルをサービスに組み込む
    • バックエンドの設計開発とAndroid開発
    • 採用イベントでその内容を発表したりした (下のスライド)
  • 機械学習をサービスに組み込むときの開発支援

speakerdeck.com

React Nativeでのネイティブアプリ開発

社内でReact Nativeが流行り始めたので、退職前にはReact Nativeで開発していた。

  • 既存iOSアプリへのReact Native / CodePush 組み込み
    • ネイティブアプリ上で機能のPDCAを回すのが遅いのにイラついて始めたが、色々あって最後まではできなかった
  • 新規アプリでのReact Native開発

それ以外

ありがとうございました

同僚の皆さん、ありがとうございました。当分東京にいるので、色々と気軽に誘ってください。

2018/02/13 10:56 追記

指摘を受けて写真を削除しました。不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。

代わりに先日ふるさと納税で来たステーキの写真を貼っておきます。

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ファンの皆様へ

突然のお知らせになってごめんなさい。

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僕、ウイウは 2018年2月9日 を最終出社として、クックパッド株式会社を退職します。

これから何をやるのかは具体的にはまだ決まってません。

皆さん気付いてないと思うんですが、人間は案外と普通に死ぬし人生は短い、というのに最近気づきました。なので、僕は今25才なんですが、残りの人生は滅茶苦茶にやろう、と思ってます。

2018年1月15日 @uiureo

P.S. 飲みに行くぞ

香港・深圳旅行 深圳編

香港・深圳旅行 香港編 - 運河 の続き。

香港から深圳に移動した。

羅湖というチェックポイントを経由して国境を超える。 国境といっても比較的カジュアルらしく、小学生が通学(?)に使っているようだった。現地の小学生たちはずいぶん慣れてるらしくて、その辺を走り回ったりする勢いで、香港側の出国審査をダッシュで突破していてロックだった。

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ホテルに行く。一応社会人だからたまにはまともな宿をとろうと思って、電気街の中心にある一泊9000円程度のホテルに泊まった。眺めがすごく良かった。

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イカれた電気街

電気街は評判通りのイカれた量と密度で、閉鎖的なビルの空間のなかに個人商店が詰め込まれている。LED、チップ、スマホケース、ハンドスピナー、あらゆるものが置いてある。

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異様な量の段ボールが人々に抱きかかえられてビルを出入りする。夕方の通勤時間帯に歩いていると、人の波がすさまじくて飲み込まれそうになる。

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閉店間際。電光掲示板にはWindows機が繋がっているらしい。

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中国の道は街灯がなくて暗いので、明るい建物が映える。

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スマホで決済

なんでも電子決済できる街で有名なので、体験してきた。

準備

WeChat Payアカウントを持っている友達 (@akiroom さんありがとう!) に送金してもらって、事前にWeChat Payを有効化しておいた。 この辺りを参考に: 中国に住んでない僕らが WeChat Pay を有効化して使う方法 (中国大陸の銀行口座不要) - shao's diary

チャージするときはPocket Changeという自動両替機を使った。羽田空港なら国際線到着ロビーに置いてあって、現金からWeChat Payにチャージできる。

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初期状態のレートは良くないのだけど、一度少額を交換して出てくるクーポンを使うとレートが良くなる。5500円 => 316人民元 (= 5350円) 分をWeChatにチャージできた。

感想

評判通りあらゆるものがスマホで電子決済できる。自動販売機などもほとんどQRコードでの決済に対応していて、マッサージ機もQRコードをスキャンして支払いすることで動く。地下街にマッサージ機が置いてあるのも驚きだけど。

マッサージ機がアプリで決済できるということは、マッサージ機がネットに繋がっていて操作できるということで、IoT社会の到来を感じて興奮した。

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現金で人民元持っていったのだけど、ほとんどWeChat Payで払えたので必要なかった。それにWeChat Payで払ったほうが記録が残って便利。

QRコードでの決済をほかの電子決済手段と比べると、SUICAとかICカードよりも決済のUIとしては難しいとは感じた。スマホQRコードを読み取るためには、ロックを解除してアプリを立ち上げないといけないし、慣れてないとかなり手間取る。

それでもQRコードが優れているのは、特別な機械が必要なく印刷するだけで済むという設置コストの圧倒的な低さなのだと思う。技術が普及するためには、利便性よりもスケーラビリティのほうが重要なことが多いというのを感じた。

スマホアプリで借りれるシェアリング自転車の群れ。

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大芬油画村

複製画の街。歩いていて一番心地よかった。

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路地に絵画が並んでいて、その横では絵を描き続けている人たちがいる。

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立派な美術館もある。なんらかのアート作品と僕。

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画廊を兼ねた良い感じのカフェもあった。

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すべてはあるが、なにもない

英語はホテル以外ではほとんど通じなかった。"Hello"以外はほぼなにも理解してもらえない。

中国語を何も知らない状態で向かったので、ほぼ何も言語でコミュニケーションをとれなくて大変だった。最終的にはかなり上達して「ありがとう」「WeChat Payで払います」「青島ビール」の三表現をマスターした。青島ビール以外の飲み物の語彙を知らないので、飲食店では青島ビールを頼みまくっていた。

あと、暇な時間にはビリビリ動画という中国版ニコニコ動画でアニメを観ていた。ほぼニコニコ動画と同じで、オタク動画が見れたり、承認欲求に飢えてそうな女性生主が何やらを配信している動画が見れる。どういう仕組みかはわからないんだけど、あらゆるアニメが公式無料で全話公開されていて便利だった。

都市機能としてはすべてが揃っていて、発展した大都市という印象だった。発達した地下鉄、近代的なショッピングモール、高層マンション、ビジネス街。しかし、まだすべてができたてで、これから作っていくという感じであり、香港などにあるような文化的な厚みは感じなかった。まるでオタクがシムシティで作られた都市のようで、都市のパーツが不自然なほど効率的に配置されている。時が経つにつれて都市は混沌としていくのだけど、深圳には混沌がないように感じた。

今回の旅行は観光で上辺をなぞっただけで、実際の人々がどのように考えてどう働いているのかなどは見てないので、当然何もわかってない可能性は高い。ただ現時点の印象である。今度行くときはもっと深く見てみたいと思っている。

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深圳のあとは香港に戻り空港に向かった。台風で飛行機が遅れて大変だったけど、なんとか帰れてよかった。

忘れていた旅の楽しさを思い出すことができて良かった。かなり体力は使うし、精神的に消耗もするんだけど、どんな映画やVRよりも高解像で圧倒的に強烈な体験が得られる。旅の後遺症で、うまく寝付けないし仕事にもちゃんと行けていない。

香港・深圳旅行 香港編

4泊5日で香港と深圳に行ってきた。以前からネットで記事を読んでて深圳が気になっていた。前回中国に行ったのは大学1回生のときで、7年も前のことだったからそろそろ中国の空気を吸入しに行ってもいい頃合いだと思っていた。

香港で1泊して、深圳で3泊した。1人旅。

9/12(火)の深夜に、羽田空港から香港エクスプレスで飛んで、朝5時に香港国際空港に着いた。飛行機が遅れて消耗したので、空港のベンチで眠る。

香港

中心部の街を歩くと、とにかく密度に圧倒される。空間にビルがぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、その隙間を2階建ての細いバスが動く。

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高層ビルを見ると興奮して心のなかの何かがいきり立つ性癖なので見ていて飽きなかった。ただ、金融の中心地だからか息苦しい感じはした。男性ホルモンの化身みたいなビジネスマンが男根みたいな高層ビルのなかで働いている。

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建物は古くてどれも同じ形をしているんだけど、色がかわいくて街並みがきれい。立体にエアコンの室外機がペタペタ貼り付いている感じ。

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100万ドルの夜景で有名なvictoria’s peak。乗り物酔いするのに、バスで山頂に登ってめちゃくちゃ後悔したが、その価値はあるくらい感動した。なんでこんな狭い場所に人は集まらなきゃならないのかとても不思議に感じる。

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宿は、一泊5000円くらいの狭いけど綺麗なところをネットで予約して取った。1人で泊まるには快適だったけど、壁が0.01mmくらいしかなくて、隣のカップルが喧嘩を始めて深夜に仲直りの行為をするまでの一部始終の音を聞かされることになった。

9/14(木)。香港海事博物館という海上貿易がテーマの博物館に行く。これがとても良かった。貿易の発展は、船舶や羅針盤などテクノロジーの進化が伴っていることがよく伝わってきた。博物館自体が港にあって船の形をしているのでかわいい。

そのあと、フェリーに乗って対岸まで移動する。地下鉄に乗るとトンネルを通過するだけなので何も見えないけど、船に乗って渡ると優雅な気分になれる。

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香港の街並みを眺めるのがかなり気に入ったので、中国に向かう前にバスに乗ってより古い街並みが残るところに行ってみる。

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香港に滞在したのは1日だけだったけど、過ごしやすくて楽しかった。洗練さの隙間を縫うようにしてカオスが生きているような感じ。

ここから電車に乗って中華人民共和国・深圳に向かった。深圳編に続く。