クックパッドでやったこと

先日クックパッドを退職しました。1年とちょっとの間働いて、思ったことを振り返っておこうと思う。

入社した理由

そもそもどうしてクックパッドを選んで入社したか、を振り返ると

  • 働きやすそうだった
    • 労働時間はフルフレックス制だし、社員も早く帰る文化がある
    • 経営体制変わって落ち着いたところだったので、タイミングが良かったと思う
  • 優秀なエンジニアが多い
    • これはそう感じることも感じないこともあった
  • 給与が割に良かった
    • 額面給与は上がったが、結果的には京都での前職のほうが手元に残るお金は若干多かった。東京プライス。

uiuret.hatenablog.com

退職した理由

明確なプランがあるわけではなかったけど、ぼんやりこんなことを考えていた:

  • これから本当にやりたいこととマッチしていない
    • 料理の領域に制約される
    • ただのエンジニアとして終わりたくない
  • もっとリスクをとりたい
  • 人数が多い会社で働くのが合ってないと感じた

自分には合ってないと感じることもあったけど、客観的に見ると働きやすい良い会社だと思っています。就職活動で迷っていたら薦めると思うし、少額だけど株式を持ってるししばらくは売るつもりはない。

やったこと

仕事では主にこんなことをやっていました。

技術的には幅広くというか散漫に色々やりました:

機械学習を活用したサービス開発

元々 UI / UX に関心があったんですが、今の時代はフォームのレイアウトをいじくり回したりするよりも、データや機械学習を活用したほうが収穫が多いだろう、と思っていたのが動機で、機械学習を使った機能開発に取り組んでいた。

機械学習エンジニアと連携して、機械学習モデル以外の部分を全部開発することが多かったです。

  • モデルの改善
    • xgboostに閲覧ログを食わせて学習させる。やる人間がいなかったので取り組んだものの、大した成果は出なかった。
  • ディープラーニングでの画像カテゴリ分類
    • 優秀な機械学習エンジニアが職人芸で作ったモデルをサービスに組み込む
    • バックエンドの設計開発とAndroid開発
    • 採用イベントでその内容を発表したりした (下のスライド)
  • 機械学習をサービスに組み込むときの開発支援

speakerdeck.com

React Nativeでのネイティブアプリ開発

社内でReact Nativeが流行り始めたので、退職前にはReact Nativeで開発していた。

  • 既存iOSアプリへのReact Native / CodePush 組み込み
    • ネイティブアプリ上で機能のPDCAを回すのが遅いのにイラついて始めたが、色々あって最後まではできなかった
  • 新規アプリでのReact Native開発

それ以外

ありがとうございました

同僚の皆さん、ありがとうございました。当分東京にいるので、色々と気軽に誘ってください。

2018/02/13 10:56 追記

指摘を受けて写真を削除しました。不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。

代わりに先日ふるさと納税で来たステーキの写真を貼っておきます。

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ファンの皆様へ

突然のお知らせになってごめんなさい。

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僕、ウイウは 2018年2月9日 を最終出社として、クックパッド株式会社を退職します。

これから何をやるのかは具体的にはまだ決まってません。

皆さん気付いてないと思うんですが、人間は案外と普通に死ぬし人生は短い、というのに最近気づきました。なので、僕は今25才なんですが、残りの人生は滅茶苦茶にやろう、と思ってます。

2018年1月15日 @uiureo

P.S. 飲みに行くぞ

香港・深圳旅行 深圳編

香港・深圳旅行 香港編 - 運河 の続き。

香港から深圳に移動した。

羅湖というチェックポイントを経由して国境を超える。 国境といっても比較的カジュアルらしく、小学生が通学(?)に使っているようだった。現地の小学生たちはずいぶん慣れてるらしくて、その辺を走り回ったりする勢いで、香港側の出国審査をダッシュで突破していてロックだった。

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ホテルに行く。一応社会人だからたまにはまともな宿をとろうと思って、電気街の中心にある一泊9000円程度のホテルに泊まった。眺めがすごく良かった。

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イカれた電気街

電気街は評判通りのイカれた量と密度で、閉鎖的なビルの空間のなかに個人商店が詰め込まれている。LED、チップ、スマホケース、ハンドスピナー、あらゆるものが置いてある。

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異様な量の段ボールが人々に抱きかかえられてビルを出入りする。夕方の通勤時間帯に歩いていると、人の波がすさまじくて飲み込まれそうになる。

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閉店間際。電光掲示板にはWindows機が繋がっているらしい。

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中国の道は街灯がなくて暗いので、明るい建物が映える。

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スマホで決済

なんでも電子決済できる街で有名なので、体験してきた。

準備

WeChat Payアカウントを持っている友達 (@akiroom さんありがとう!) に送金してもらって、事前にWeChat Payを有効化しておいた。 この辺りを参考に: 中国に住んでない僕らが WeChat Pay を有効化して使う方法 (中国大陸の銀行口座不要) - shao's diary

チャージするときはPocket Changeという自動両替機を使った。羽田空港なら国際線到着ロビーに置いてあって、現金からWeChat Payにチャージできる。

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初期状態のレートは良くないのだけど、一度少額を交換して出てくるクーポンを使うとレートが良くなる。5500円 => 316人民元 (= 5350円) 分をWeChatにチャージできた。

感想

評判通りあらゆるものがスマホで電子決済できる。自動販売機などもほとんどQRコードでの決済に対応していて、マッサージ機もQRコードをスキャンして支払いすることで動く。地下街にマッサージ機が置いてあるのも驚きだけど。

マッサージ機がアプリで決済できるということは、マッサージ機がネットに繋がっていて操作できるということで、IoT社会の到来を感じて興奮した。

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現金で人民元持っていったのだけど、ほとんどWeChat Payで払えたので必要なかった。それにWeChat Payで払ったほうが記録が残って便利。

QRコードでの決済をほかの電子決済手段と比べると、SUICAとかICカードよりも決済のUIとしては難しいとは感じた。スマホQRコードを読み取るためには、ロックを解除してアプリを立ち上げないといけないし、慣れてないとかなり手間取る。

それでもQRコードが優れているのは、特別な機械が必要なく印刷するだけで済むという設置コストの圧倒的な低さなのだと思う。技術が普及するためには、利便性よりもスケーラビリティのほうが重要なことが多いというのを感じた。

スマホアプリで借りれるシェアリング自転車の群れ。

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大芬油画村

複製画の街。歩いていて一番心地よかった。

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路地に絵画が並んでいて、その横では絵を描き続けている人たちがいる。

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立派な美術館もある。なんらかのアート作品と僕。

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画廊を兼ねた良い感じのカフェもあった。

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すべてはあるが、なにもない

英語はホテル以外ではほとんど通じなかった。"Hello"以外はほぼなにも理解してもらえない。

中国語を何も知らない状態で向かったので、ほぼ何も言語でコミュニケーションをとれなくて大変だった。最終的にはかなり上達して「ありがとう」「WeChat Payで払います」「青島ビール」の三表現をマスターした。青島ビール以外の飲み物の語彙を知らないので、飲食店では青島ビールを頼みまくっていた。

あと、暇な時間にはビリビリ動画という中国版ニコニコ動画でアニメを観ていた。ほぼニコニコ動画と同じで、オタク動画が見れたり、承認欲求に飢えてそうな女性生主が何やらを配信している動画が見れる。どういう仕組みかはわからないんだけど、あらゆるアニメが公式無料で全話公開されていて便利だった。

都市機能としてはすべてが揃っていて、発展した大都市という印象だった。発達した地下鉄、近代的なショッピングモール、高層マンション、ビジネス街。しかし、まだすべてができたてで、これから作っていくという感じであり、香港などにあるような文化的な厚みは感じなかった。まるでオタクがシムシティで作られた都市のようで、都市のパーツが不自然なほど効率的に配置されている。時が経つにつれて都市は混沌としていくのだけど、深圳には混沌がないように感じた。

今回の旅行は観光で上辺をなぞっただけで、実際の人々がどのように考えてどう働いているのかなどは見てないので、当然何もわかってない可能性は高い。ただ現時点の印象である。今度行くときはもっと深く見てみたいと思っている。

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深圳のあとは香港に戻り空港に向かった。台風で飛行機が遅れて大変だったけど、なんとか帰れてよかった。

忘れていた旅の楽しさを思い出すことができて良かった。かなり体力は使うし、精神的に消耗もするんだけど、どんな映画やVRよりも高解像で圧倒的に強烈な体験が得られる。旅の後遺症で、うまく寝付けないし仕事にもちゃんと行けていない。

香港・深圳旅行 香港編

4泊5日で香港と深圳に行ってきた。以前からネットで記事を読んでて深圳が気になっていた。前回中国に行ったのは大学1回生のときで、7年も前のことだったからそろそろ中国の空気を吸入しに行ってもいい頃合いだと思っていた。

香港で1泊して、深圳で3泊した。1人旅。

9/12(火)の深夜に、羽田空港から香港エクスプレスで飛んで、朝5時に香港国際空港に着いた。飛行機が遅れて消耗したので、空港のベンチで眠る。

香港

中心部の街を歩くと、とにかく密度に圧倒される。空間にビルがぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、その隙間を2階建ての細いバスが動く。

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高層ビルを見ると興奮して心のなかの何かがいきり立つ性癖なので見ていて飽きなかった。ただ、金融の中心地だからか息苦しい感じはした。男性ホルモンの化身みたいなビジネスマンが男根みたいな高層ビルのなかで働いている。

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建物は古くてどれも同じ形をしているんだけど、色がかわいくて街並みがきれい。立体にエアコンの室外機がペタペタ貼り付いている感じ。

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100万ドルの夜景で有名なvictoria’s peak。乗り物酔いするのに、バスで山頂に登ってめちゃくちゃ後悔したが、その価値はあるくらい感動した。なんでこんな狭い場所に人は集まらなきゃならないのかとても不思議に感じる。

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宿は、一泊5000円くらいの狭いけど綺麗なところをネットで予約して取った。1人で泊まるには快適だったけど、壁が0.01mmくらいしかなくて、隣のカップルが喧嘩を始めて深夜に仲直りの行為をするまでの一部始終の音を聞かされることになった。

9/14(木)。香港海事博物館という海上貿易がテーマの博物館に行く。これがとても良かった。貿易の発展は、船舶や羅針盤などテクノロジーの進化が伴っていることがよく伝わってきた。博物館自体が港にあって船の形をしているのでかわいい。

そのあと、フェリーに乗って対岸まで移動する。地下鉄に乗るとトンネルを通過するだけなので何も見えないけど、船に乗って渡ると優雅な気分になれる。

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香港の街並みを眺めるのがかなり気に入ったので、中国に向かう前にバスに乗ってより古い街並みが残るところに行ってみる。

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香港に滞在したのは1日だけだったけど、過ごしやすくて楽しかった。洗練さの隙間を縫うようにしてカオスが生きているような感じ。

ここから電車に乗って中華人民共和国・深圳に向かった。深圳編に続く。

株式会社はてなに入社しました

せっかくなので近況を書きます。

11月に東京に引っ越してきて4ヵ月が経つ。24才になった。生活の内容は京都にいたころと特に変わっていない。休日は家でKindleNetflixを見ている。東京に来て寂しくないかと聞かれるけど、むしろ東京にいる友達のほうが多くて飲みに行く機会もあるので困っていない。不思議なことに、大学の同級生やサークルの先輩達は皆卒業すると東京にやってくる。みんな寂しいので集まろうとする。

仕事はというと、これまで隠してたけど今はクックパッドという会社で働いている。入った理由は、大きい会社を一度経験するのもいいかなと思ったこと、企業としてのやり方が気に入ってたこと、給料が良かったこと、など色々ある。今のところ、期待以上に快適に過ごせている。人間が多いとコミュニケーションのコストが高くて、ときどきイラつくことはあるけど一応許容範囲内に収まっている。

仕事の内容としては、Androidアプリに機械学習を使った機能を組み込む部分を担当している。はじめはAndroidの開発を主にやるはずだったのが、最近は主にPython機械学習のデータ処理のパイプラインを整備したり、機械学習のモデルを弄ったりしている。Rubyの会社で、PythonJavaを書くことになるとは思ってなかった。機械学習をプロダクトに組み込む部分は、まだあまりノウハウがなくてイチから考える必要があって楽しい。

朝起きたら、やる気のあるときは目黒川の横を歩いて会社に向かう。やる気のないときはチェーン店でカフェラテを飲んでぼーっとしてから出社する。10時か11時頃に会社に行く。恵比寿で学食の3倍くらい値段のするランチを食べる。19時頃に帰る。家に帰ったらNetflixYouTubeを見る。

会社のSlackに#hiphopというチャンネルがあって、そこで日本語ラップ情報を教えてもらっている。日本語ラップだと、ZORN, KOHH, NORIKIYOを仕事中によく聴いている。「お金のために生きるなら死ぬ」というような言葉を聴きながら、死んだ魚の目をしてコードを書いている。「洗濯物干すのもhiphop」だし、プルリクをrevertするのもhiphopだと思う。

www.youtube.com

itun.es

株式会社はてなに入社しました - hitode909の日記

文章が書けない

文章が書けない。長いのは特に書けない。二つ以上の文をつなげて何かについて書こうとすると、とてつもなく時間がかかる。ブログにひとつ記事を書くのに何時間もかかる。仕事で5行くらいの簡単な報告を書くのに30分以上かかるし、すごく体力を使う。

小学生の頃は一日中かけて、400字原稿用紙の半分も書けなかった。まず、ある文に続けて次の文をどう繋げたらいいかがわからない。読める文章をつくるには、文と文の間にはなにか接着剤のようなものがないといけない気がするのだけど、どうやるとくっつくのかがわからない。10分かけて一つ文を書いてみて、次の10分で考えたあげく書いた文を消すのを繰り返してた。夏休みの読書感想文が地獄だった。本の文章をほぼそのまま書き写すという技を覚えるまで、毎年泣きながら書いていた。中学生になると、その倍の量の文章を書かされるようになった。難解なジグソーパズルのようで、頭からひねり出した言葉をひとつずつ慎重にはめ込む必要があった。

泣かずに文章を書けるようになったのは、高校生のときにTwitterやチャットをするようになってからだった。短い文はある程度の速さで書けるようになった。その頃から同級生の何倍か時間をかければ、読書感想文やレポートがこなせるようになった。

本を読んだり、ネットのブログを読んだり、文章を読むのは好きだった。気に入った文章を真似てみて書いたりするんだけど、次の一文を繋げようとすると途端に絶望的な気分になる。

口で言葉を話すのも苦手だ。思ったことを流れるように話すことができない。一言一言を脳から力づくで引っ張り出してなんとか話している。グレープフルーツからジュースを手で力強く搾り出すのをいつも想像している。仕事の会議で長く話すとクタクタに疲れる。

一通り書いたあとも目を通してみると文章としてなにか落ち着かないような気がして、言葉を消したり付け足したり、文を削ったりする。そうこうしている間に元の文章の半分くらいになってしまったり、あるときは全部消してしまったりする。川に一生懸命やって橋をかけては、爆破しているような気分になる。

ここまで書くのに何時間もかけている。脳にカフェインが回っているときはこうやってある程度書けたりするけど、ひどいときには1時間近くかけて140字しか書けない。生まれついて苦手なのは仕方ないから、練習したりして騙し騙しでやっていくしかないとは思う。

これは完全に僕が悪いんだけど、アドベントカレンダーの記事はこういう事情もあって結局書けなかった。「自分で書くと言ったのに、何言ってんだクソが」と言われるとまったくその通りで何も言い返せない。そうなると僕にはただ、路上で冷たいアスファルトと一体化することしかできない。

これはKMCアドベントカレンダー14日目の記事です。前の日はゼネコンを九ヶ月で辞めた話でした。 テーマからだいぶそれてしまったし、一ヶ月近く遅れてしまったけど、書かないよりマシということにしたい。

ネオ目黒ライン NEO MEGURO LINE

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東京では人は誰も目を合わせることなく街を行き交う。

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その他は #NEOMEGUROLINE を見てください。

twitter.com

仕組み

ここからは開発者の方に向けた説明です。GitHubソースコードは上がっています。

github.com

Google Cloud Vision APIの顔認識APIを使って、目の特徴位置を取得し、その情報を元にしてOpenCVで黒く塗りつぶす。

コードはPythonで書いていて、本番環境はGoogle App Engineのflexible environmentで動いています。

APIも提供しており、画像ファイルをmultipartアップロードすることで結果が返ってきます。

curl -sL -X POST https://mesen-dot-uiu-server.appspot-preview.com -F 'image=@image.jpg' > result.png

思い

関西から初めて移り住んだこの消耗都市、東京への思いを込めて作りました。楽しんでいただけたら幸いです。